★演者に訊く 2013年11月
ゲストソロコメディー・小心ズ(ヤノミ)


【全3回 其の3

  この藝能往來も外人さんにも読んで欲しい、とは思っているのです。日本の古典からクールジャパンのパフォーマンスまで幅広く取り上げてますので。
 それで知り合いの英語教師に英訳を打診したところ、とてもじゃないけれど英語には該当しない単語が多すぎて無理、との事でした。国内外の藝能に精通して、イメージの互換性を持ち合わせ、それを表現できるだけの英語力が十二分にないと、いわゆる日本語を英語にする作業が出来ただけでは、むちゃくちゃな文章になると。確かに、能の舞いをDANCEと訳されたらかなり違うものになりそうだ。
 どなたかそのような藝と英語に精通された方がいらっしゃいましたら、是非お手伝いして頂けないでしょうか。。

                2013年4月18日 L.Loves R.

 

「英語がしゃべれれば
世界中に友達出来るーー!
って信じ込んでて(笑)」

 海外での公演の時には日本でやってる内容とは違ったものを作るんですか?

ヤノミ「基本一緒です。曲を使っているので、その曲の認知度によっては入れ替えたりしますけど。でも意外と向こうで知られてない曲を使うと、エキゾチックだ、って評判良かったりすることありました」

 海外だと日本とウケるポイントが違ったりすると思うんですが、そこいらは意識しないんですか?

ヤノミ「私達は始まりがほとんど日本語わからない外国人がメインの会場でやってたんで。それに私が作る作品は、子供も年寄りも外国人にも田舎者にも都会人にもわかる、そこを目指してるんで、あんまりやる場所によって変えたりはしないです」

 フリンジに参加するアーティストはどこの国が多いんですか?

ヤノミ「アメリカ、ヨーロッパ、それとオーストラリアかな。その年はアジアや日本からは私だけだった。やっぱり言葉の問題があるからね」

 これは最初に聞かなければいけない事だったんですが、英語が堪能なのは学校での勉強だけで?

ヤノミ「子供の頃から英語がしゃべれる事に憧れてて、中学生になった時に、英語が勉強出来る、カッコイイーー! 英語がしゃべれれば世界中に友達出来るーー!って信じ込んでて(笑)
なのに学校の先生がしゃべる英語がカッコ悪くて、こんなダサイ英語をしゃべりたいんじゃない、って(笑)。そしたら母親がNHKラジオの基礎英語講座を聞きなさいって。それで毎日ラジオを録音してくれて、それで勉強してた。で、大学が英文科だったんで」

 でもネイティブな会話となると別ですよね。

ヤノミ「そう。大学の時に1ヶ月バンクーバーに留学したのが最初の海外。
それから劇団にいたとき海外公演で廻ったり。
何より一番最初に下北のバーでやりはじめた時にオーナーもお客さんもみんな英語だったから、そこで鍛えられたかな」

 ある種の国内留学ですね。

ヤノミ「それにやっぱり北米を5ヶ月も廻った時に、必然的に身につきましたよね。しゃべる相手がアーティストが多いし、コメディやってる人達なんかはみんな頭が良くて口が達者でしょ、一般の人達とは違う次元の話もするじゃないですか、だからもう必死になって聞いてると脳は鍛えられますよー」

                 2011年3月4日 パルテノン多摩小ホール         


「海外に出たいと思ったら
タフで根気よくこつこつと
やっていくしかないんです

 今年も北米から台湾から世界を巡ってこられたんですが、そんな風に海外を回りたいって思ってる藝人さんも大勢いると思うんですね。何か心得とかありますか。

ヤノミ「心得なんて何もないですけど、タフで健康でやっていくしかないですね(笑)」

 海外のフェスに参加するのにそういう情報はどこから仕入れるんですか?

ヤノミ「それはネットで探せばいっぱい出て来ますよ」

 でもそれはヤノミさん英語が堪能ですからそう言いますけど、そう簡単ではないですよね。

ヤノミ「まぁそれは否めないですね。でも中学レベルの英語が出来れば大丈夫。あとは慣れですよ。芝居用語とかは共通のものも多いし」

 会話とかは何とかなっても書類関係は厳しそうですよね。日本語でも難しいのに。

ヤノミ「もうそれは語学力というより根気(笑)。言葉は辞書引けば何とかなるけど、それを延々やり続ける根気が必要」

 そういう事務手続きを代行してくれるところなんかないのでしょうかね。

ヤノミ「それがあったらどれだけ嬉しいか」

 政府もクールジャパンを売り出そうとしてるならそういう窓口を設けるくらいすればいいのに。

ヤノミ「でもすごいギャラ取られそう(笑)。私が他のアーティストの為に代行やるとしたら、それだけで食べて行けそうですからね(笑)そんだけ大変な仕事だと思う。実際海外公演をやるにあたってパフォーマンスにかける時間より準備のためのデスクワークにかける時間が一番多いし。
英語が堪能で演劇事情にも詳しくて、バリバリ売り込みかけれる、そんな人はなかなかいないんで(笑)、だから海外に出たいと思ったらタフで根気よくこつこつとやっていくしかないんです」

 それと中学生レベルの英語の習得ですね。

 

                2013年4月18日 L.Loves R.         


 

「ニューヨークとかは
新しく何かが出てくるのを
みんな待ってるんです

 アメリカンドリームっていう言葉があるくらい、アメリカには平等にチャンスがあるように言われますけど、行かれてみてそれを肌で感じたりしますか?

ヤノミ「そうですね。比較的に平等に機会は与えられてるんじゃないですかね。特にニューヨークとかは新しく何かが出てくるのをみんな待ってるんです。無名だったものがある日突然脚光を浴びることがある、っていうのを実感として体験してるので。
だから無名であろうと自分が素晴らしいと思ったらその評価はハッキリしてくれます。日本だと面白いと感じても無名か有名かを無意識に評価の中に入れがちじゃないですか。でも北米には個人の意思で判断するっていう部分が大きいので、その辺は違いますね」

 そういう素直なリアクションを体感してきた海外公演で、嬉しかったでも辛かったでいいので、今までで思い出の残っている公演を挙げるとしたら。

ヤノミ「う〜〜ん難しいな〜。辛かったことは山のようにあるので〜(苦笑)、いいやつで言ったら3年前にヴィクトリアで行った公演で、アンコールで拍手を貰ってスタンディングオベーションっていうのが一番だと思ってたら、その時はみんな座ったまま拍手しながら足踏みをし始めたんですよ、会場が揺れるくらい。私はそんなの見たことないから何これ〜って思ってたら、それはストンピングっていう興奮のあまりにする最上級の賞賛だったらしいんですよ。後からスタッフにこんなことめったにないよって言われましたから。それが一番思い出に残ってるかな」

 凄い!日本では見たことがない。何か最近は儀礼的にスタンディングオベーションもなってたりするし、みんな立ってるのに座ってちゃ失礼かな、とか思ったり。

ヤノミ「でもホントに良かった時はみんな一斉に立ち上がりますからね。じわじわ立っていくのは半ばおつきあいですね(笑)」

                2012年10月25日 吉祥寺スターパインズカフェ       


 さて今後の活動予定ですが。また来年も海外に?

ヤノミ「3月からワシントンといくつか回ります。それは去年私の公演を観てくれたプロデューサーが呼んでくれたんですけど、聾者の方向け、一般の方も入るんですけど、耳が聞こえない方にも楽しんで貰うフェスなんですね。小心ズは音を使って演じるのに、音が聞こえなくても楽しめるものを創って欲しいって言われて」

 ハードル高い!

ヤノミ「そうなんですよ。でも面白そうでしょ。そのプロデューサーは、あなたのパフォーマンスは日常のみんなが普通にやってることをいかにファンタジックに表現するか、その変換の作業が素晴らしい、だから聾者の人達にも楽しんで欲しいんだ、って言ってくれて」

 嬉しい話ですね。

ヤノミ「そうなんですよー。ハードル高いんですけど、楽しんで貰えるお客さんも広がるので楽しみです」

 国内での活動は。

ヤノミ「年末にこまばアゴラ劇場で、to R mansionと小心ズ、そしておさらスープの三組でショー「空飛ぶ★コメディキャラバン」をやるので、そこで披露する新作を今創ってます」

 それぞれ3組のショーが日替わりで観れるんですね。

ヤノミ「そう。私とto R mansionは2作ずつ上演するので全部で5本立」

 たっぷりですね! 小心ズの新作はどんな感じですか?

ヤノミ「『ケサランパサラン』っていうタイトルで、世界を旅する変な生き物、ちいちゃい男の子なんですけど、可愛さとか邪悪さとかめんどくささとかひっくるめての生命力の塊みたいなものをファンタジーで創れたらいいなって」

 う〜ん分かるような分からないような(笑)。とにかく劇場で新しい何かが出てくるのを楽しみに観に来ます。

 


◆公演情報◆


藝能往來企画公演
「宮澤やすみの小唄かふぇ」VO.7に
小心ズがゲスト出演!

「宮澤やすみの小唄かふぇ」第七夜はゲストに世界を駆け巡るソロコメディーの小心ズ登場。笑えてちょっと切ないショートストーリー「ミスしゃっくりの幸せな一日」を上演。そして小唄三味線との奇跡のコラボレーションも ! ご期待下さい。

会場/神楽坂キイトス茶→http://kiitosryo.blog46.fc2.com/

日時/11月22日(金)23日(祝土)
   19時開場 20時開演

チャージ 2,000円+ワンドリンク

公演の詳細、御予約は「小唄かふぇ」HPにてご確認下さい。
http://geinou-ourai.com/kouta


おさらスープ & to R mansion & 小心ズによる、驚異の五本立て劇場公演。

「空飛ぶ★コメディキャラバン

こまばアゴラ劇場にて、12月25日〜29日!
年末のご予定、今からぜひとも確実に!
前売り開始は11月16日☆

■前売料金 (全席自由)
Mix(2作品連続上演):3300円
1作品:2700円
選べる2作品:4000円
選べる3作品:6000円
学生(1作品):2000円
子供(1作品):1000円(小学生以下)
★当日料金は前売料金より500円増です。
★受付は開演の60分前、開場は開演の30分前です。
★未就学児童入場可。 お膝の上は無料。

■チケット取扱い
HP:http://www.tormansion.com
TEL:080-7724-5673
<イープラス> HP:http://eplus.jp (PC・携帯)
店頭:ファミリーマート(ファミポートよりe+にアクセス)
*選べる2作品、選べる3作品のご予約は、お電話、又は、to R mansion内
チケットご予約フォームの みでの受付となります。


撮影協力 : 「フライングシュワシュワカーニバル」、
      レフカダ新宿、L.Loves R.、吉祥寺スターパインズカフェ
Special Thanks : to R mansion、Buri-Cama
撮影 : スズキマサミ